転職成功のためには、複数を比較してあなたの転職活動を支えてくれる転職エージェントを見極めることが大切です。
なかには、「複数利用するのは難しそう……」と感じる方もいるかもしれません。
今回は、転職活動時に悩みやすい転職エージェントの使い方について、キャリアアドバイザーのKAIさんと一緒に紹介します。
転職エージェントを使う流れや使いこなす秘訣など、今すぐ役立つ内容を参考にして転職成功に繋げましょう!
目次
監修者 KAI KAI Profile 大手人材会社にて転職エージェントを経験。キャリアアドバイザーとして累計3,000名以上、社外でも約300名の仕事選びを支援。「働く」ことに対する知見が深く、Twitterでもキャリアや仕事に関する投稿をしている。 Twitter https://twitter.com/kaiak324
転職エージェントが対応してくれること
転職エージェントとは、転職やキャリアコンサルティングに関する専門知識を有し、「転職希望者」と「人材を求める企業」との橋渡しを行うサービスのことを指します。
サポート役としてキャリアアドバイザーがつき、転職活動に必要な情報収集や、相談者のニーズに合った求人を紹介してくれます。
また、選考の対策として書類の添削や面接対策なども行います。
あなたの希望や経歴などを踏まえ、転職を成功させるために一緒に伴走する、頼れる転職のプロこそ転職エージェントです。
【利用調査】転職エージェント利用者の2人に1人が複数登録している
当メディアでは、実際に転職エージェントを利用したことがある973人に調査を実施しました。
本記事における調査の概要
- 調査実施会社:トレンダーズ株式会社
- 実施期間:2022年1月20日~2022年1月27日
- 有効回答数:973人
- 調査方法:インターネット調査(Surveroidを利用)
「1回の転職で利用した転職エージェントサービスの数を教えてください」という質問に対し、1社のみと答えた人は431人(44.3%)、2社以上を利用している人は542人(55.7)です。
転職エージェントを利用したことのある方の半数以上の人が、2社以上の複数の転職エージェントを利用していることが分かりました。
多くの人が2社以上の転職エージェントに登録しており、複数の転職エージェントを併用することはごく一般的といえます。
複数登録するなら総合型と特化型を組み合わせるのがおすすめ
転職エージェントには大きく2種類があり、あらゆる業種・職種において求人数が豊富な「総合型」と特定の分野に強い「特化型」があります。
特化型は、特定の業種や職種の専門知識を持ったアドバイザーがいるため、志望業界が決まっている人は、特化型だと業界の雰囲気や必要なスキルがより具体的に知れるでしょう。
おすすめの利用方法は、2種類を組み合わせて複数利用することです。
注意点や使いこなす秘訣をしっかり把握し、転職活動を効率よく進めましょう。
転職エージェントを複数利用する際の注意点を知りたいという人は、記事後半の転職エージェントを複数利用する際の注意点に目を通してみてくださいね。
転職エージェントを複数登録するメリット
転職エージェントを複数登録するメリットはおもに3つ挙げられます。
一つずつ見ていきましょう。
メリット1.より多くの求人に出会える
転職エージェントは、一般に公開していない「非公開求人」を保有しています。
さらに、特定の転職エージェントでしか扱われていない「独占求人」もあります。
複数の転職エージェントに登録することで、「非公開求人」「独占求人」と出会うチャンスが増え、多岐に渡る求人の紹介が受けられます。
メリット2.相性のよいキャリアアドバイザーと出会う可能性が高まる
キャリアアドバイザーは、転職サポートのプロであり、相談者に適した求人を紹介してくれたり、アドバイスを行ったりしてくれます。
一方で、それぞれのキャリアアドバイザーごとに詳しい業界や専門分野、性格や考え方も異なります。
転職成功のためには、相性のよいキャリアアドバイザーとの出会いが不可欠です。
転職エージェントを複数利用することで、さまざまなキャリアアドバイザーと接し、その中で信頼できる相手を判断できます。
メリット3.複数の中から「いいとこ取り」ができる
「総合型」と言われる大手の転職エージェントの魅力は、何といっても非公開求人を含めた求人数が多いところにあります。
一方「特化型」は、あなたの希望する業界の動向を具体的に知れたり、求人企業との関わりが深いため企業の詳しい内情を教えてもらえたりするのが特徴です。
それぞれの特徴を捉えたうえで「いいとこ取り」しながら利用することがおすすめです。
KAIさん
A社に登録して「エージェントさんの対応も求人も完璧!」と感じるのなら、そのままA社経由での選考を進めて良いかもしれません。
しかし、何か一つでも引っかかる点があったら、試しにほかのB社、C社にも登録してみて話をしてみましょう。
いろんな視点を持てるはずです。
人生における大切な決断だからこそ、比較検討して積極的に自分で決断していくことが大切ですね。
転職エージェントを複数利用するデメリット
転職エージェントを複数利用するデメリットも確認しておきましょう。
デメリット1.情報量が増えるので迷ってしまうケースもある
転職エージェントを複数利用すると、それぞれのキャリアアドバイザーから情報を得ることになるため、情報量が増えすぎてしまいます。
情報量が多くなると、どの求人を選べば良いか迷ってしまう可能性があります。
たくさんの情報を味方にするためには、転職の目的や希望条件を明確にしておく必要があります。
迷いが生じて決断のタイミングを失うまえに、自身のキャリアについて考えておくことが大切です。
デメリット2.転職までに手間と時間を要する
利用する転職エージェントが複数になると、キャリアアドバイザーとのやりとりも増えるため、手間と時間を要します。
特に、在職中で働きながら転職活動をする人は、活動できる時間が限られており思うように進められない場合もあるでしょう。
こうした場合「この求人はどこのエージェントから応募したかな?」と毎回確認するのは大変ですし、応募が重複したり、同じ日にダブルブッキングしたりと、ミスが起きる可能性が高まります。
もし、複数のエージェントをうまく使い分ける自信がない場合は、例えば応募するエージェントを相性の良い1社に絞るとミスが防げます。
効率よく転職活動を進めるためにも、工夫して利用しましょう。
KAIさん
「A社から紹介されたけど、相性のよいB社から応募したい」という場合もあるかもしれません。
そんなときは、B社の担当キャリアアドバイザーに●●社/●●職の求人はありませんか?と聞いてみるのも一つの手段です。
紹介が漏れているだけで、応募できるケースも少なくありません。
転職エージェント登録から応募までの流れ
多くの人が仕事をしながら転職活動を進めるため、仕事が終わったあとや休日に転職活動に取り組みます。
転職エージェントを利用する際は、自分が何をどのようにしたら良いかをイメージしておくことで転職活動をスムーズに進められます。
転職エージェント利用の登録から応募するまでの流れを見ていきましょう。
STEP1.会員登録をする
まずは、転職エージェントの公式サイトから会員登録を行いましょう。
総合型の大手転職エージェントは業種・業界関係なくさまざまな種類の求人情報を扱っているため、はじめての人は総合型に登録するのがおすすめです。
STEP2.キャリアアドバイザーと面談日程を調整する
転職エージェントから連絡を受け取り、面談日を決めます。
担当のキャリアアドバイザーと面談に向けて履歴書、職務経歴書など面談に必要なものを作成しておきます。
STEP3.キャリアアドバイザーと面談する
キャリアアドバイザーは提出された職務経歴書などを参考に、求職者と話をしながら今後のキャリアについてアドバイスをしてくれます。
面談をするなかで、これまで培ってきた経験やスキルを見直し、自分の強みやアピールポイントを整理します。
これらを踏まえて、希望条件に合う求人をキャリアアドバイザーが提案し、応募へと進みます。
STEP4.応募する
求人への応募するには、まず書類選考を通過する必要があります。
とくに職務経歴書は応募企業に自分をアピールするために最も重要な書類です。
キャリアアドバイザーに添削してもらいながら作り込みます。
書類選考が通ったら、面接対策のサポートを受けながら本番に備えましょう。
転職エージェントを複数利用する際の注意点
転職エージェントを複数利用するうえでは、以下の3つのことに注意しましょう。
注意点1.複数利用していることを隠さない
複数の転職エージェントに登録している場合、正直にキャリアアドバイザーに伝えることが大切です。
なぜなら、隠していると同じ求人を受けてしまったり、スケジュールがバッティングするなどトラブルの元になるからです。
はじめから伝えておくことで、他社での活動を考慮してスケジュール調整がしてもらえます。
納得できる転職をするために、情報を共有してスムーズに進めましょう。
注意点2.スケジュール管理は徹底する
複数の転職エージェントを利用していると、求人紹介の数も増えます。
チャンスが増えると同時に、応募、書類選考、面接と手間も増えることに。
スケジュール管理を間違ってしまうと、せっかくの機会を失いかねません。
本業に影響が出る、無理なスケジューリングになっている場合は、一旦動きをストップして進め方を見直しましょう。
応募はメインのエージェントに窓口を絞るなど、スケジュール管理がしやすい方法をとることが大切です。
注意点3.同じ求人にエントリーしない
複数の転職エージェントから同じ求人を紹介されることがあります。
1つの求人に対して応募を複数して、チャンスが増えることはありません。
かえって管理できていないとみなされ、求人オファーが破談になる恐れがあります。
もし複数のエージェントから応募する場合は、「うっかり応募が重複しちゃった!」ということがないよう、どの転職エージェントからどの求人に応募したのか、必ず把握しておきましょう。
転職エージェントを使いこなす秘訣3つ
転職エージェントをしっかり頼って転職成功を導くための秘訣をKAIさんに伺いました。
秘訣1.相性の良いエージェントを見極める
複数の転職エージェントとやりとりをしていくなかで、徐々に相性が良いキャリアアドバイザーや志望する求人が決まってくるはずです。
キャリアアドバイザーとの相性を見極めて、利用するエージェントを絞るのもコツです。
まずは一旦気になったエージェントに登録して、徐々に転職エージェントを絞ることで、面談や電話、メールでのやりとりの手間も減らせます。
そうすると相性が良いキャリアアドバイザーだけとのやりとりに集中できるため、スムーズに転職活動を進めやすくなります。
KAIさん
これまでの人生経験で皆さんそれぞれに「この人とは親友になれそうだな」「この人と話すのは心地よいな」といった感覚ってあると思います。
キャリアアドバイザーに対しても、こうした感覚で「合う」「合わない」を見極めてもいいでしょう。
それから、転職活動にはスピードがとても大事です。
あなたからの連絡に2日経っても返信がなかったり、質問したことに回答を得られなかったりするエージェントさんは黄色信号と言えます。
秘訣2.相性が合わないキャリアアドバイザーは変更してもらう
キャリアアドバイザーも得意な分野、不得意な分野が異なり、性格も違うため、相性の良し悪しがあるのはある程度仕方ありません。
「転職エージェントは利用したいけれど、キャリアアドバイザーとの相性が良くない」と感じる場合もあるでしょう。
そうした場合は、担当者を変更してもらえます。
利用者から「担当者を変更してほしい」というのは言い出しづらいかもしれませんが、理由をきちんと伝えたうえで変更してもらいましょう。
KAIさん
どこが合わないのか?を言語化してみると良いでしょう。
たとえば、「寄り添いがなく、応募が急かされている感じがする」ならば、「初めての転職なのでゆっくり考えたい」と伝えてみましょう。
それでも担当者の対応が変わらない場合は、カスタマーサポートなどに連絡して担当者を変更してもらうことが可能です。
納得できる転職活動をするためには気兼ねしないで担当変更を申し出ましょう。
秘訣3.企業向けの推薦文を見せてもらう
推薦文とは、キャリアアドバイザーが選考企業に応募する際に提出される、いわば紹介状のようなものです。
推薦文は、あなたとの面談を通してキャリアアドバイザーが作成します。
この推薦文を見せてもらうことで、自分の自身の経験や強み、キャリアアドバイザーがどう考えているかを確認できます。
KAIさん
なぜ見たいのかという理由も補足すると良いでしょう。
「面接時に齟齬(そご)があるといけないので、事前に私も把握しておきたいです」
「先方に事前にどのように伝わっているのか、わたしも知りたいです」という風に伝えるとスムーズかもしれません。
【総合型】でおすすめの転職エージェント
さまざまな業種・職種から豊富な求人を見つけられる大手総合型の転職エージェントから選びましょう。
利用者アンケートから、大手総合型の中でも人気の3社を紹介します。
この3社、CMやWEB広告でもよく目にしますが、どれに登録すればいいかわからない、という人もいるでしょう。
利用者の数や利用満足度で比較してみました。
【利用調査】利用者数ランキング
利用者数の多い順に比較したラインキングはこちらです。
【利用調査】満足度ランキング
利用者の満足度が高かった転職エージェントのランキングはこちらです。
※とくに利用頻度の高かった転職エージェントの満足度について「大変満足した」「満足した」「まあまあ満足した」の合計値から算出しています。
転職支援実績No.1!リクルートエージェント
リクルートエージェントがおすすめの人
- 非公開求人をたくさん見て探したい人
- 地方就職を希望している人
- 提出書類の作成に自信がない人
リクルートエージェントは、厳選した非公開求人を多く持つ大手転職エージェントです。
求人数、転職支援実績ともに国内No.1を誇り、多くの転職者を成功させてきた実績があります。
「職務経歴書エディター」というツールがあり、自己PRのやり方などもサポートしてもらえます。
初めて転職する方も安心できる高品質なサポートが評判です。
20~30代若手向けの求人が多いマイナビエージェント
※マイナビのプロモーションを含みます。
マイナビエージェントがおすすめの人
- 20・30代で第二新卒や転職が初めての人
- 迅速で密な連絡を取り合えるキャリアアドバイザーを希望する人
- 中小企業への転職を考えている人
20代の転職支援実績が豊富なのがマイナビエージェントです。
全国に支店が複数あり、大手から優良な中小企業まで幅広い求人を扱っているのが魅力です。
第二新卒など、若手で転職が初めての人も安心してサポートを受けられます。
求人数はおよそ10万件!doda転職エージェント
doda転職エージェントがおすすめの人
- 幅広い職種・業種から転職先を探したい人
- スカウトメールや企業からのオファーを参考にしたい人
- キャリアアドバイザーから手厚いサポートがほしい人
doda転職エージェントは、非公開求人を含め約10万件の求人数を持つ大手転職エージェントです。
企業から直接オファーが受けられるスカウトサービスがあるほか、必ず面接を受けられる面接確約オファーなど、転職を有利に進められるサービスがあります。
提出書類や面接の対策なども手厚いと評判の転職エージェントです。doda転職エージェントに無料登録する
【特化型】でおすすめの転職エージェント
業界や職種、キャリアに特化した転職エージェントの中でもおすすめのエージェントを紹介します。
外資系や大手求人も豊富!マイナビIT AGENT
マイナビIT AGENTがおすすめの人
- 大手総合エージェントで希望する求人が見つからなかった人
- エンジニアでキャリアアップ、収入アップを目指す人
- 未経験でIT業界を目指したい人
マイナビIT AGENTは、IT、WEB業界に特化した転職エージェントサービスです。
20~30代向けの案件が多く、IT業界に精通したキャリアアドバイザーが手厚くサポートしてくれるのが特徴です。
エンジニア経験がなくても、エンジニア希望者であれば応募できる求人もあります。
また、外資系や大手の求人も多いので年収アップを狙いたい人にもおすすめです。
ITエンジニア専門で高年収を目指せる!TechClipsエージェント
TechClipsエージェントがおすすめの人
- 質の高いITエンジニア求人を探している人
- 今よりも年収をアップさせたい人
- 現役のエンジニアから専門的なアドバイスがほしい人
TechClipsエージェントは、ITエンジニア専門の転職エージェントです。
高年収&高待遇に特化しており、エンジニア兼任のコンサルタントが求職者の技術や経歴から強みを引き出して希望に沿った企業とマッチングしてくれます。
ITエンジニアとして、より高年収を実現したい人向けのエージェントです。
第二新卒専門のウズキャリ
ウズキャリがおすすめの人
- 第二新卒もしくは転職がはじめての20代の人
- 自己分析や面接対策など徹底したサポートを受けたい人
- IT系の求人を探している人
ウズキャリは第二新卒専門の転職エージェントです。
社会人経験がない、転職が初めてといった人も安心して利用できるよう、キャリアアドバイザーが手厚くサポートしてくれます。
時間をかけて丁寧にコンサルティングを行い、相談者の考えや性格などをしっかり考慮したうえで求人を提案してくれます。
信頼できるキャリアアドバイザーを見つけたい若手の人、IT企業への転職を考えている人におすすめです。
転職エージェントの使い方に関するQ&A
転職エージェントの使い方に関するよくある質問について、KAIさんに答えてもらいました。
Q1.転職エージェントを上手に使うためのテクニックはある?
KAIさん
心理テクニックを2つ紹介します。
1つ目は、ミラーリングです。
人は丁寧な言葉で話しかけられたら丁寧に返し、とげとげしい態度を取られるとこちらもそんな態度を取ってしまうという特性を持っています。
キャリアアドバイザーと良い関係を築くためには、笑顔や丁寧な言葉に心掛けると、鏡のように相手からも丁寧なやりとりが返ってくるはずです。
2つ目が、「単純接触効果」というものです。
繰り返し接すると、好意度や印象が高まるという効果のことを指します。
具体的には、エージェントさんと電話やメールで情報提供するとき、一週間考えて自分の考えをドンと送るよりも、2日に1回くらいのペースで「まだ考え中なのですが、今こういうことで悩んでいます」と共有する方が効果的です。
キャリアアドバイザーも進捗がよく分かり、コミュニケーションを取りやすくなります。
連絡は細切れに取り、一番最後に「取り急ぎのご連絡です」や「簡単な共有で申し訳ございません」と一言付け加えるとさらに丁寧な印象になります。ぜひ試してみてください。
Q2.転職エージェントを利用しても転職がうまくいかない場合は、どうしたらよい?
KAIさん
転職はあくまで手段です。
あなたが納得いく未来を築くために、うまくいかないときは「今は情報を集めるとき。良いご縁を待つとき」と考え、現職でしっかり頑張る、趣味の範囲を広げるという風にで割り切ってみるといいと思います。
考えて動いていれば、いつか自分によいことが返ってくると信じましょう!
まとめ
- 転職エージェントは複数登録がおすすめ
- 複数を利用比較し、相性の良い転職エージェントを見極めることが大切
- キャリアアドバイザーを味方にすることが転職成功のカギ
KAIさん
誰しも慣れないことをするのは不安なものです。
転職活動では、面接など選考の過程で緊張する方・不安に思われる方がほとんどです。
そんなとき、客観的に情報提供したり、不安に寄り沿って相談相手になるのが転職エージェントの大切な役割です。