食卓メディア「おうちごはん」 2022年 上半期食トレンド大賞&下半期の食キーワードを発表 大賞は「イタリアンスイーツ」、下半期注目には新カテゴリ食材など5キーワードを選出
トレンダーズ株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:黒川涼子、東証グロース上場:証券コード 6069)が運営する、食トレンドや食卓アイデアを発信するWEBメディア「おうちごはん」は、「2022年 上半期食トレンド大賞」および、下半期に注目したい食キーワードを発表いたします。
◆ 2022年上半期総括:“ヒット体感”多数? 粒揃いの上半期、食を楽しむムードが後押し
「マリトッツォ」という一大ヒットが生まれた2021年からの流れを受け、さまざまな注目スイーツが登場した2022年上半期。昨年のような代表的なヒットメニューは見られなかった一方で、スイーツに限らず、人々が新たな食の流れやアイテムを純粋に楽しんでいることが感じられる、比較的小規模で良質な話題が複数見られたことが印象的でした。コロナ禍の影響は継続し食の分野でも課題が残る一方で、より日常が戻りつつあるため、中食、外食での広がりがさらなる話題化を後押ししたアイテムが多かったことも特徴と言えます。
また、ネーミングや食べ方が印象的なメニューも引き続きSNSを起点として盛り上がりを見せ、多くの人が自分の日常で身近に感じられる、「話題の食」を体感しやすい半期だったと言えるでしょう。
食を取り巻くマインドとしては、健康意識と環境意識の高まりは止まる所を知らず、人々のリテラシーも向上しています。また、本質的な食×健康への追求と同時に、それに相反するように見える素材や調理法で“背徳感”を魅力的に演出したレシピがヒットする傾向も継続。対極にある概念の双方がポジティブに取り入れられ、楽しまれている様子が感じられます。
こうした流れをふまえ、「おうちごはん」編集部の「2022年 上半期食トレンド大賞」では、本年上半期(2022年1月~6月)に話題を集めた食トレンドをピックアップするとともに、下半期に注目のキーワードを予想し選出しました。
◆ 2022年 上半期食トレンド大賞: イタリアンスイーツ旋風!郷土メニューが続々登場
「おうちごはん」編集部が選出する2022年 上半期食トレンド大賞は、「イタリアンスイーツ」です。
昨年大ヒットしたイタリア生まれのマリトッツォに続き、イタリアンプリンやティラミスといった馴染みの深いスイーツや、カッサータやグラニータ等、上半期はさまざまなイタリアンスイーツ旋風が巻き起こったと言っても過言ではありません。上半期のヒットは、コンビニや外食店による相次ぐイタリアンスイーツ販売の追い風を受けたものと考えられます。
また、自宅で手作りをする人も多く、レシピの面でも注目度は上々。元々話題となった、イタリアンスイーツは多くが家庭で作られていたものであるため、自宅での作りやすさがおうちスイーツとしての広がりを後押ししたと言えます。イタリアンスイーツは地域別に種類が非常に多く、今後も引き続き広がりが感じられると同時に、昨今たびたび注目を浴びる海外の郷土料理やスイーツのさらなる拡大の可能性を予感させます。
ほかにもスイーツ類は注目メニューが多数ありましたが、一時期一部で話題になっていた「カヌレ」が、昨年からの専門店の増加やカフェメニューでの提供にはじまり、コンビニやスーパーで手軽に入手できるようになり再び話題に。SNSでも専用の金型などを含めた手作り投稿や、専門店のアイテムの購入投稿が目立ちました。今回の再注目のポイントは、新たなタイプのカヌレが次々に生まれたこと。中はとろっと、外はカリッとした食感の「半熟カヌレ」や、冷やして食べる「生カヌレ」、シュークリームとカヌレを掛け合わせた「シュヌレ」など、「進化系カヌレ」が多数登場しました。
秋の風物詩である「焼き芋/冷凍焼き芋」は、焼き芋専門店やおとりよせの高級焼き芋に加え、新感覚スイーツのように楽しめる「冷凍焼き芋」も話題に。クチコミが広がり多数のメディアに取り上げられたことがさらなる話題を呼びました。また、韓国での話題化から日本に派生した「さつまいもダイエット」の流れを受けて、秋だけではなく、日常的に食べる人が増加していることもポイント。「冷凍焼き芋」が最適な夏の時期を前にして、ブームはまだ広がりそうです。
メニューでは、自宅で簡単に作れる「麻薬卵」がSNSを起点として大きな話題になりました。SNS生まれ特有のインパクトのあるネーミングで、「麻薬」というワードに一部で議論が巻き起こるほどに。シンプルなステップと手に入れやすい材料で誰にでも作りやすく、作り置きにも適しているメニューであったことが、多くの人の「作ってみたい」欲や何度も作り続けるモチベーションを掻き立てた形と言えるでしょう。
◆ 2022年 下半期食キーワード:新カテゴリ麺、“ヒットの3要素”を備えた海外スイーツなどに注目
上半期のヒットをふまえ、今後注目したい、2022年下半期の食にまつわるキーワードを選出しました。
【食材・アイテム】
「新カテゴリ麺」… 健康志向や小麦価格の高騰などの影響を受けて、小麦以外の材料、特に豆類など植物性の原料で作られた麺類の認知とニーズが高まる可能性が考えられます。すでに多数の商品があるこんにゃく麺や豆腐麺、米粉を使ったビーフン等の麺ではなく、健康的側面や環境保護の観点から広がっているのが特徴。メーカー各社も開発や拡充を進めており、黄えんどう豆を使った乾麺などが登場しています。高たんぱく、低GIなど、昨今のニーズにマッチした商品が多く、小麦麺が主流の日本における新たなカテゴリの麺として、形状や種類の拡大が予想されます。
「カラフルワイン」… 第4のワインとして世界中で話題になったオレンジワインに続き、多彩な色合いのワインが脚光を浴びています。中でも白ワインをベースに作られた「紫ワイン」は、その色合いの美しさとユニークな味わいで密かに話題に。ほかにも、白ワインを長期熟成させた「黄色ワイン」や、濃い色のぶどうを使って作られた赤ワインの「黒ワイン」、白ワインをベースに赤ぶどうの皮で着色された「水色ワイン」、完熟前のぶどうを使う「緑ワイン」などが日本でも入手可能に。いずれも着色料を使ったものではなく、製造法による違いや、果物や野菜など自然の素材を使っていることが特徴です。物流や輸入との兼ね合いで商品自体の希少性が高く、一躍大ヒットという性質のものではないものの、新たなワインとして注目が集まります。
【メニュー】
「プヂン」… ブラジルの公用語であるポルトガル語で「プリン」を意味するプヂン。家庭料理であるがゆえにいろいろなパターンの作り方が見られますが、話題となっているものの多くはコーヒーシロップを染み込ませたスポンジの土台に、コンデンスミルクを使った濃厚かつ固めの食感のプリンを乗せた2層のスイーツであることが特徴です。昨年夏に一部のコンビニで発売されたのち、今年に入ってカフェでの提供が散見されるなど、ヒットの土壌ができつつある様子が感じられます。2層の食感の新しさやティラミスを思わせるような親しみやすさが、日本での支持の理由になっていると言えます。各国のユニークなスイーツが話題になる中で、次なるヒットメニューとなるか、注目です。
「英国菓子」… アフタヌーンティーで見られるようなプレーンスコーンをはじめとした、イギリスのお菓子への注目が改めて高まっている兆しが感じられます。特にスコーンはSNSでも投稿が非常によく見られるように。近年の海外スイーツのヒットの要素として、その国の伝統の深さ、意外と知られていないメニューの多さ、自宅で作れる素朴な味わいが挙げられますが、イギリスはその点でもポテンシャルは十分。すでに定番化している近年のアフタヌーンティー人気との相乗効果も見込め、イタリアンスイーツのように再度のブームとなる可能性も考えられます。
【その他】
「無人販売店」… コロナ禍により、QRコード型のメニューやスマートフォン決済の外食店が増加していますが、期間限定でオープンしたロッカー式カフェなど、テクノロジーを活用した無人販売店が増えています。冷凍技術の発達によって、餃子やラーメンなどさまざまな食品を冷凍し、自動販売機などで販売できるようになったことも背景に。非接触型や対面を避けた販売ニーズが依然として高いことと同時に、人手不足などの影響も相まって、未来の定番販売スタイルとして、今後ますます広がりを見せそうです。
【おうちごはんについて】
「いつものいただきますを楽しく。」をコンセプトに、毎日の食卓を楽しく彩るアイデアや情報・SNS食トレンドを発信するWEBメディア。公式SNSの総フォロワー数は約78万人となり(Instagram、Twitter、Facebook、YouTube、Pinterest、TikTok)、8,800名以上の食関与度の高いSNSアクティブユーザー会員をネットワークしています。
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▼2022年 キーワード予測はこちら(2021年11月発表) https://www.trenders.co.jp/news/2459/
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