トレンダーズ、“インスタグラム動画”のPR 活用に向けた調査を実施 20代女性ユーザーの7割が「動画再生の経験あり」 発信の主体者は企業からインフルエンサーへ
「MarTech Company」としてマーケティング×テクノロジーを軸とした事業展開を進めるトレンダーズ株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表:岡本伊久男、東証マザーズ上場:証券コード 6069)は、2017年6月に動画拡散施策の推進を目的とする「動画マーケティング戦略室」を立ち上げました。まずは、インスタグラム上の動画利用実態に注目し、この度20~30代の女性インスタグラムユーザー500名を対象に「インスタグラムにおける企業のPR動画」に関する調査を実施いたしました。
[調査概要]
・調査対象:Instagramを「毎日閲覧する」と回答した20~30代女性 500名
・調査期間:2017年7月3日~7月4日・調査方法:インターネット調査 ・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
動画対応が加速するインスタグラム…20代ユーザー7割に動画再生経験
全世界で7億人を突破したインスタグラム。「おしゃれ・きれいな画像」のイメージが強くありますが、2016年8月にスライドショー形式で写真や動画投稿を閲覧できる新機能「Instagram Stories(インスタグラム ストーリーズ)」が追加され、さらに日本では2017年1月に「インスタグラム ストーリーズ」にライブ動画機能が加わるなど、<手軽に・身近に動画を視聴できるSNS>へと進化しています。そしてそれに伴い、企業のプロモーション・PR活動において「インスタグラム動画」を活用する事例が増えています。そこで今回は、20~30代のインスタグラムユーザーの女性に「企業のPR動画」がどのように受け入れられているのかを調査し、企業プロモーションへの活用ポイントを探りました。
はじめに、インスタグラムで動画を見た経験についてきくと、63%が「フィード」、71%が「ストーリーズ」で動画を再生した経験があると回答。インスタグラムユーザーにとって今や「動画」が自然に受け入れられていることが分かります。年代別で見ると「フィード」上での30代の動画再生経験率が56%なのに対し、20代は70%と30代を大きく上回る結果となりました。
次に「フィード」上で動画を見た経験がある人に対し、「いいね」「コメント」「ブックマーク」をした経験があるかをきくと、「いいね」は77%、「コメント」は52%、「ブックマーク」は36%が「経験あり」と回答。また、「動画投稿は静止画投稿より目に留まる投稿が多いと思う」と回答した人は49%と、約半数にあたります。
この結果から、インスタグラムユーザーの多くが「静止画投稿」だけでなく「動画投稿」にも興味・関心を抱いており、「いいね」や「コメント」をつけるなど投稿にアクションをしていることが分かりました。
「いいな」と思ったPR投稿は、「美容商材」「食品」の動画に集中!
それでは企業が商品・サービスのPR目的で投稿する動画には、どのような印象を抱いているのでしょうか。まず、PR動画を見る際、その商品・サービスに好感を持つアカウントを聞いたところ、1位は「友人・知人・芸能人などの個人アカウント」(72%)、2位は「企業公式アカウント」(48%)、3位は「メディア公式アカウント」(28%)の順となりました。
さらに「個人アカウント」で「PR動画」を見たことがある人に対して、実際にどのような投稿に心を動かされるのかについても探りました。まず、見たことがあるPR動画のジャンルとしては1位が「メイク・コスメ・ネイルのHOW TO動画」(78%)、2位が「調味料・食材などのレシピ動画」(74%)、3位が「ヘアスタイルのHOW TO動画」(72%)となりました。一方でPR動画を見たことでその商品・サービスに好感を持ったジャンルとしても同様に「メイク・コスメ・ネイル」(45%)、「調味料・食材」(41%)、「ヘアスタイル」(40%)の順となり、美容商材や食品との相性の良さがうかがえます。
広告色はNG…おしゃれな雰囲気+ふだんの投稿に合った動画に好感
また、紹介されて商品やサービスに好感を持つ個人アカウントのPR動画の条件としては、1位に「雰囲気がおしゃれ・かわいいこと」(59%)、2位に「その人のふだんの投稿とトーンが合っていること」(56%)、3位に「広告色が少ないこと」(46%)が挙げられました。
具体的にどのようなPR動画投稿を「いいな」と思ったかをきくと、「料理を作っている動画はテキパキしていて順番がわかり、とてもよかったです」(30歳)、「スキンケア用品のPR投稿で、PRされている本人が実際に長い期間使用した感想や、効果などを手短に説明している投稿を見て、自分も使ってみたいとますます興味を持った」(29歳)など、投稿者が実際に体験し、その具体的な手順や感想を分かりやすく伝えている動画への好感度が高いことが分かりました。
インフルエンサーが語る、心を掴むインスタグラム投稿のコツ
今回の調査結果からは、インスタグラムにおける動画を活用したPRでは個人からの発信がより効果的であることが分かりました。そこでトレンダーズが運営するインスタグラマーネットワークのインスタグラマーの中から、“食”に特化した「デリスタグラマーⓇ」で、現在8.3万フォロワーを誇るChinami(@chinamisakamoto)さん、“美容”に特化した「ビュースタグラマーⓇ」で、現在4.5万フォロワーを誇る齋藤美沙貴(@misya_kids)さんの2名にPR動画の投稿をはじめ、インフルエンサーとして心がけていることについてお話を伺いました。
●デリスタグラマーⓇ:Chinami(@chinamisakamoto)さん
・PR動画投稿で心がけていることは?
「日常の中で小さな幸せ発見」的なことを、PR動画でお伝えできたら嬉しいな、と思っています。
いつも見てくださっているフォロワーさんに、次は何かな〜と、楽しみにしてもらえるような動画作りを心がけています。
・「動画」や「ストーリーズ」のよさとは?
静止画像では表現しきれないその場の雰囲気、或いは移り変わる光の濃淡や空気感などをお伝えすることができるので、表現の幅や可能性が広がったと思います。
・「いいね」「コメント」がつくテクニックはありますか?
心がけていることが二つあります。一つ目は自分らしいテイストを持つこと、つまりご覧いただいた方に私の写真だとすぐにわかっていただけるように一貫性を持ち続けること、もう一つは何かしらちょこっとでも驚いてもらえたり納得してもらえたりすること、などです。フォロワーさんの笑顔に繋がる写真を撮れるようこれからもがんばりたいです。
●ビュースタグラマーⓇ:齋藤美沙貴(@misya_kids)さん
・PR動画投稿で心がけていることは?
PR案件について、メイク動画がほとんどなのですが、自分に似合う方法で紹介するようにしています。
指定のハッシュタグ等だけの文言で紹介するのではなく、自分ならこんな風に使うといったオリジナルも含めて紹介しています。
・「動画」や「ストーリーズ」のよさとは?
動画を作る際に、動きのある文章を入れたり吹き出しを使ったりして可愛く、アレンジもできるようになったので再生時間が長い動画が投稿できるようになって良かったです!
・「いいね」「コメント」がつくテクニックはありますか?
コスメ等の紹介も、フォロワーさんならどんな使い方をするのかなど質問を投げかけてみたり、質問でもらったことをインスタに紹介することで、自分だけじゃなくて、フォロワーさんも巻き込んで自分のインスタグラムのページを作るように心がけています。
インスタグラム動画の活用には、インフルエンサー発信が有効
インスタグラムが「静止画」のみならず「動画SNS」としての進化を遂げている今、今後ますます企業がプロモーション・PRでインスタグラム動画を活用する機会が増えると予想されます。動画は静止画に比べ表現範囲が広く編集要素が多いため、より見るものの感性に訴えかけられるというメリットがある一方で、「世界観」が重視されるインスタグラムにおいては、その「世界観」とのズレがユーザーの嫌悪感につながりやすいという側面もあります。インスタグラム動画を活用する際は、インスタグラムを動画プラットフォームのひとつとして捉えるのではなく、「世界観」という独特な特性とユーザーインサイトを充分に踏まえること、そして発信の主体は企業ではなくインフルエンサーに委ねることが有効といえそうです。
なお、トレンダーズの動画マーケティング戦略室では、多様化した動画コンテンツ・フォーマットを「制作目的×拡散モチベーション」という独自の切り口で分類した上で拡散施策を企画提供しており、「拡散モチベーション」については「①アンシェアラブル(情報伝達型)」「②シェアラブル(感情刺激型)」「③シェアラブル(視覚刺激型)」「④トライアブル(行動喚起型)」の4つに分類しています。
この中で「インスタグラマー動画」は、「認知」から「興味・検討」のフェーズに対応する施策であり、拡散モチベーションは「シェアラブル(感情刺激型)」、つまり、驚き・感動・共感といった感情を刺激する動画と位置付けています。今回の調査では約6割の人が「おしゃれな雰囲気」や「投稿者のふだんの投稿に合っていること」をPR動画の好感ポイントに挙げており、「拡散モチベーション」の4分類を押さえた施策の立案はインスタグラムを用いたPRにおいて重要なポイントといえるでしょう。
今後も動画マーケティング戦略室では様々な動画コンテンツ・フォーマットに関するユーザーインサイト調査を実施・発信してまいります。
※ デリスタグラマー、ビュースタグラマーはトレンダーズ株式会社の商標です。
※ Instagramは米国およびその他の国におけるInstagram, LLCの商標です。