47.9%が「がっかり」と回答。着物買取の査定額が安いワケ＆なるべく高く買い取ってもらうコツ

着物買取サービスは今多くの方に注目されていますが、買取価格へのイメージがあまりよくないと噂になっています。

当サイト（となりのいろは）では着物買取サービスへの満足度を探るべく、同サービスの利用者94人に調査を実施。

着物の買取価格への印象を聞いたところ、以下のグラフのような結果になりました。

「想定以下の価格で引き取られた」と回答したのは約半数にものぼる47.9%なので、確かにがっかりした人は多いようです。

一方51.1％の人は想定以上か想定どおりの価格で売れたと回答しているため、あなたの着物もいい値段で売れる可能性があります。

この記事では、着物の価格が安くなってしまう理由や高く売れる着物の特徴、なるべく良い値段で売るためのコツなどを紹介します。

着物の買取価格に高望みしてはいけない4つの理由

着物の買取価格は、基本的に高望みをしないほうがいいでしょう。

その理由は以下の4つです。

それぞれ詳しく解説していきますので、着物買取を考えている方はぜひ参考にしてください。

理由1：買ったときの値段ほどの金額にはならない

新品の着物を買うと、だいたい数十万円から数百万円程度します。

しかしどんなに良い着物でも、一度購入してしまえば中古品扱いになるので、買ったときほどの高値がつくのは難しくなります。

また理由3でも紹介しますが、着物の需要は年々減ってきているため買取価格は上がりにくいです。

中古品扱いになることと需要の低下の2点がある以上は、着物の買い取り価格は安くなる傾向にあると言えるでしょう。

理由2：着物買取サービスの買取例ほどの高額にはなかなかならない

一例として、買取価格を載せているサイトや業者は非常に多いです。

しかし表示されている買取価格は、非常に状態が良かった場合と言っていいでしょう。

高額な買取価格を提示できる着物は価値があり、十分に需要があるものばかりです。

つまり買い取ったとしても、再販できなければ価値がない着物となってしまいます。

買取業者も営利目的で運営している以上、どこかで利益を得られなければ運営することができません。

買取価格ほどの高額な買取には、めったにならないと考えて良いでしょう。

理由2：着物の需要が減ってきている

近年は着物自体の需要が大きく減ってきています。

呉服関連のデータを扱う「きものと宝飾社」によると、1989年の着物市場は、およそ1.5兆円の規模がありました。

しかし2018年時点では2,875億円まで減っており、着物の流通そのものも減ってきているのが分かります。

現在でも生活様式が大きく変わった影響で、着物を着る機会はあまりありません。

大量消費からリサイクルやエコといった、循環型社会に移行しつつあるのも需要が減った1つの要因でしょう。

理由3：昔の着物は小さめに作られていることが多い

着物はサイズが大きいと、買取時の価格がつきやすくなっています。

しかし昔の着物は小さめに作られていることが多いです。

下記の表を見てみれば、当時の平均身長は低かったのが分かります。

※参考：厚生労働省「第2部 身体状況調査の結果」
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「国民栄養調査」

実際にサイズが小さいかどうかは見てみなければ分かりませんが、当時の平均身長を考えると小さめに作られている可能性が高いです。

サイズが大きければ、生地を切って調整することは容易いでしょう。

しかしサイズが小さいと生地そのものに手を加えなければならずコストがかかるため、買取価格が低くなってしまうのです。

着物の買取価格が安い原因

実際に着物を買取に出す際、価格が安くなる原因はどういったものがあるでしょうか。

この項目では着物の買取で価格が安くなる原因について、6つの理由を紹介します。

どの着物にも共通して言えることなので、買取を考えている方は当てはまる部分がないか確認してみましょう。

着物の状態が悪い

着物は状態が悪いと、どんなに高い着物であっても価値が下がります。

例えば保管状況が悪いと、シミ・シワ・汚れや虫食いが発生してしまいます。

基本的に査定を行う上で、より新品に近い状態を保っているのが高価買取の基準です。

状態が悪い着物は価値も下がりやすく、買取価格が安くなる傾向にあります。

着物の素材が安価なものである

着物は素材により、価値が大きく決まります。

この素材がもともと安価なもので作られている場合は、あまり高い価値を望めないでしょう。

たとえばウールやポリエステルでできた着物は非常に安い値段をつけられることが多く、場合によっては買い取ってもらうことすらできません。

ぜひ買い取ってもらう着物の素材にも注目してください。

なお、着物の価値は素材以外にも「産地」「作家」などによって上下します。

着物のサイズが小さい

着物はサイズが大きいほうが価格がつきやすいです。

大きい着物は着る人の体格を選びませんし、仕立て直しをする場合もすべての縫合をほどいて作り直せばよく、手間があまりかからないからです。

しかし最初から小さいサイズだと、生地そのものをいじる必要性が出てきます。

小さい着物は買取業者から敬遠されがちだと覚えておきましょう。

着物の柄が古い

未使用品・有名産地の着物であっても、柄が古いと買取価格が安くなる場合もあります。

例えば大島紬の着物は有名ですが、10年〜20年ほど前の柄になると人気が落ちてしまうと言われています。

買取時は柄が古いかどうか、何年ぐらい前の柄なのかもチェックしておくといいでしょう。

なお、柄が古いものであっても、昭和初期までに作られた「アンティーク着物」であれば希少価値が高いためいい値段で買い取られることもあります。

自分が売ろうとしている着物がアンティーク着物かどうか判断がつかない場合は、無料査定を行っている業者にチェックしてもらいましょう。

証紙を紛失した・着物に落款がない

ブランド着物の価値を証明する上で必要なのは、証紙や落款です。

証紙はその着物の産地や、厳しい品質検査をクリアした証拠として付けられます。

証紙がなくても状態が良ければ買取自体は可能です。

しかし証明するものがないので、価値は大きく下がってしまいます。

落款は作家のサインと思っていいでしょう。

人気作家が手掛けたものであれば、落款がついていると価値が大きく上がります。

証紙と同様に落款も見当たらなければその価値を証明できず、買取価格は安くなる傾向です。

業者が着物の価値を正しく査定できていない

着物は専門の知識が必要なものです。

もし着物の価値を正しく査定できなければ、買取価格は本当の価格よりも安くなってしまうかもしれません。

中には悪意を持って、安く買い叩こうとする悪質な業者もいます。

複数の業者で見積もりを取ったり、詳しい方に聞いたりして相場を買取前に見ておくといいです。

いい値段がつく着物の特徴

価格が安くなる着物の特徴とは反対に、いい値段がつく着物の特徴についても見ていきましょう。

基本は素材がよく、ブランドもので保存状態が良好なものです。

それぞれ詳しく解説していきますので、買取時の参考としてください。

正絹など高級素材で作られている

着物は高級素材で作られるほど価値が高くなります。

• 正絹（シルク）
• 木綿
• 麻
• ポリエステル・ウール

の順に価値が下がっていき、ポリエステル・ウールがもっとも安くなります。

着物の中では正絹がもっとも高級素材と言われ、代表的な素材としても知られているほどです。

証紙・落款つきのブランドものである

着物には有名産地と人気作家があり、それぞれ証紙と落款がついたブランドものとなります。

反対に証紙や落款がつかない無名ブランドもあるので、そこで価値が大きく異なると思っていいでしょう。

また、証紙・落款の有無は業者の査定項目にもあり、いくら本物でもそれらがなければ価値は下がってしまいます。

なるべくいい値段で買い取ってもらいたいなら、証紙や落款があるかどうかも確認しておきましょう。

保存状態がいい

基本的に着物は、保存状態がいいと価値が高まります。

例えば未使用品と中古品（シミあり）を比較すると、どちらのほうが高くなるかは容易に想像できるはず。

シミやシワ、虫食いがないきれいな状態を保っている着物であれば、価格がつきやすいです。

【和装士が伝授】着物をなるべく高く売るためのチェックポイント

ここでは、着付け講師・和裁士の田中あゆみさんによる、着物をできるだけいい値段で買い取ってもらうためのチェックポイントを紹介します。

買取に出す前に自分で確認してみましょう。

証紙・残り布

残り布とは、着物を仕立てたときに残った生地のこと。

着物を買取に出す際に改めて仕立て直すこともあり、あった方がいいケースがあるようです。

もし残り布がある場合は、一緒に買い取ってもらえるか業者に確認しましょう。

畳紙

畳紙とは、和服などを保管するときに使う包み紙のこと。

畳紙にその着物を買った呉服屋の名前が入っていれば、正規ルートで買われた着物であるという保証がなされているということになるそうです。

もし畳紙がある場合は、一緒に着物買取業者に出してみるといいかもしれません。

しつけ糸

しつけ糸とは、縫い目や折り目を仮に押さえるために縫っておくもの。

これにより着物を仕立てやすくしたり、型崩れを防いだりします。

呉服屋から着物を買う場合は、しつけ糸がついていることが多いようです。

しつけ糸がついているということはその着物が新しく、誰にも着られていないという証拠。

もししつけ糸がついていたら、切らないまま買取に出すのをおすすめします。

しつけ糸がどれだかわからない場合は、買取業者に聞いてみましょう。

着物の価値が判断できる業者なら、しつけ糸がどれだかわかるはずですので、業者選びにも役立つかもしれません。

カビが生えていないかどうか

長年しまいっぱなしの着物を取り出す際は、カビが生えていないかのチェックも忘れずに行ないましょう。

カビが生えていれば、自分でクリーニングに出してカビ取りをしてもらうという手もあります。

しかしクリーニング代にかかるコストや手間が買取金額に見合うものであるかを判断しなければなりません。

自分の着物が上質なものだと言い切れる場合は、事前にクリーニングに出すのもいいでしょう。

逆に自信がない場合は、無料査定をしてくれる業者に見てもらうのがいいです。

おすすめの着物買取サービスを見る

着物買取を依頼する際の注意点

実際に着物買取を依頼する際、いくつか注意点があります。

ここでのポイントを意識していれば、着物買取で損をしにくくなるでしょう。

自宅や電話に営業をかけてくる業者とは関わらない

残念なことに、着物買取には実はトラブルがつきものです。

実際当サイトが着物買取をしたことのある方に行った調査によると、18.1％が「実際にトラブルに遭った」、27.7％の人が「遭いそうになったことがある」と回答しました。

つまり5人に1人はトラブルに遭い、3人に1人が遭いそうになったというのです。

けっこう衝撃的ですよね。

また着物買取のトラブルのなかでも一番多いのが「押し買い」だと言われています。

福岡県遠賀郡遠賀町のホームページによると、押し買いとは

• 「不用品を買い取る」と電話などで勧誘して個人宅を訪問
• 実際には本人が売ろうとしていたものではなく、宝石や貴金属などを強引に買い取っていく

という手口のこと。

悪質な着物買取サービスの被害に遭わないためには、まず自分から頼んでもないのに訪問してきた業者をシャットアウトすることが大事です。

たとえ「ちょうど着物買取を依頼したいと思っていたし、お願いしようかな？」と思ったとしても、突然営業をかけてきた業者とは関わらないようにしましょう。

クーリングオフは出張買取でしか利用できないことを知っておく

クーリングオフ制度は、一度契約したものであってもあとから撤回できる制度です。

ただしこのクーリングオフは、出張買取でしか利用できません。

宅配買取や店頭買取を利用した場合は使えないので注意しましょう。

あくまで悪質な業者が押し入ってきて買取を迫ってきたときや、押し買いを受けたときに身を守る制度として認識しておくといいです。

業者の買取実績を確認する

業者の買取実績は豊富であればあるほど、多くの取引が行われているという意味で信頼に値すると言っていいでしょう。

逆に信頼できない業者の場合、そもそも実績数が少ないので提示できる数は限られると思われます。

事前に業者の買取実績を確認し、取引の量やどんなものがどれくらいの値段で買い取られたのかも確認してみてください。

多くの業者は買取実績を公式サイトに提示しており、どんな方でも見られるようになっています。

買取の時期・タイミングを考慮する

着物には需要が高まる時期もあり、買取時期やタイミングを考慮すると高価買取につながりやすくなります。

着物を着る時期といえば、どんなタイミングがあるでしょうか。

そしてその着物は、どういった種類だと思いますか。

着物と言っても袷（あわせ）や単衣（ひとえ）のように種類があり、仕立て方によっても着られる時期が違います。

買取を考えている着物があれば、まず種類を把握しておきましょう。

その上でどの時期に使えるものかを確認し、需要が上がる直前に売ると比較的いい値段での買取につながりやすいです。

着物買取をしたい人におすすめの業者4選

「着物の買取価格が安くなる可能性があるのはわかったけど、それでも買取に出したい！」という方もいるでしょう。

そんな方のために、当サイトおすすめの着物買取業者を紹介します。

おすすめ1.安心して自宅に呼べる買取サービス1位！ザ・ゴールド(THE GOLD)

「ザ・ゴールド(THE GOLD)」は、安心して自宅に呼べる買取サービス1位（※）に選ばれるほど利用者満足度の高い買取サービスです。（※日本マーケティングリサーチ調べ）

なかなかほかの業者では買い取ってもらえない男性用着物も買取対象で、値段がつかなかった着物を無償で引き取ってくれるサービスもあり、着物の状態や素材に不安がある方でも依頼しやすいでしょう。

また出張買取を利用すると、荷物の移動や電球の交換などを10分間無料で手伝いしてもらえる「思いやりサポート」が受けられます。

もし日常生活でちょっと困っていることがあったら、買取のついでにお願いしてみてはいかがでしょうか？

ザ・ゴールドの
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おすすめ2.全国どこでも出張査定！バイセル

大手着物買取業者として有名な「バイセル」。

特徴は出張買取に力を入れている点です。

全国に査定員を配置しているため、最短即日での訪問査定・買取が可能だったり、査定員が退出した後に気になったことを聞ける「フォローコール」を受けられたりします。

また、状態が悪い着物も査定可能なので、タンスに長い間しまわれていたような古い着物でも査定してくれます。

買取に出そうか迷っている着物があったら、ぜひ「バイセル」の無料査定を受けてみてください。

バイセルの詳細を見るバイセルの評判を見る

おすすめ3.レディースプランが人気！福ちゃん

※キャンペーン期間：2023年7月1日（土）～2023年8月31日（木）。／対象買取方法：出張買取／条件：上記期間にお問合せをいただき、出張買取予約をされたお客様／対象商品：着物、帯、反物／ほかのキャンペーンとの併用は不可・※店頭買取・宅配買取は本キャンペーンの対象外

「福ちゃん」のサービスの一つに、女性スタッフに出張買取を依頼できる「レディースプラン」があります。

こちらは女性客限定・地域限定のプランですが、受付から訪問、アフターフォローまでをすべて女性スタッフが対応してくれます。

これなら、「出張買取を頼みたいけど、知らない男性を家に入れるのはちょっと……」と思っている女性でも安心ですね。

そのほか、対象地域限定の即日出張買取や、予約なしで店頭買取を依頼できる（一部店舗のみ）など、ここならではのサービスが満載です。

福ちゃんの公式サイトを見る

福ちゃんの評判を見る

おすすめ4.宅配買取で選ぶなら着物10（旧：ヤマトク）

「着物10」は、宅配買取のみの取り扱いですが、サービスがきめ細やかなのが特長。

たとえば無料で梱包セット（段ボール・ガムテープ・緩衝材を含む）を提供したり、沖縄県などの離島からでも利用が可能だったりします。

さらに、値段がつかなかった着物の無料引き取りも実施。

宅配買取を考えているなら、それに特化している「着物10」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

着物10の詳細を見る

着物買取に関するQ＆A

ここでは着物買取に関するQ&Aを紹介します。

着物買取業者を選ぶポイントはなんでしょうか？

着物買取業者を選ぶポイントは以下の6つになります。

詳細は別記事「【2022年調査】おすすめの着物買取サービス8社＆実際の利用者が明かす買取価格の満足度は？」で紹介しているので参考にしてみてください。

かなり古い着物でも価格はつくのでしょうか？

かなり古い着物であっても、価格がつく場合はあります。

ただし保管状況や産地、作者によって価格が変動する可能性が高いです。

無料で査定が行えるところであれば、そちらに出して価格を見極めるのが良いでしょう（宅配買取の場合は、返送料がかかるところも多いので注意してください）。

なお、昭和初期までに作られた「アンティーク着物」であれば、希少価値が高いためいい値段で買い取られることもあります。

何十年も前に作られた古い着物を売る場合は、それがアンティーク着物でないかどうか確かめるようにしてください。

喪服は買取してもらえますか？

喪服の買取も可能です。

ただし買取を行っているのは一部の業者に限られる上、価格もあまり高くないのが現状となっています。

また家紋が入っていると使える人が親族に限られてしまうため、買取時には不利となることが多いです。

着物の「委託販売」とはなんですか？

委託販売とは、業者が着物を売りたい人から着物を預かり、代わりに販売する形態です。

着物買取サービスと違うのは、

• 着物を売る人は委託販売業者に手数料を払わなければならない
• 着物の値段は業者と着物を売る人が話し合って決定する
• 着物をいい値段で売るためのコツを委託販売業者から教えてもらえることがある

という点。

「業者と結託できるなら手数料を払ってもいい！」と思うのであれば、委託販売を利用するのもいいでしょう。

まとめ

• 需要が減っているなどの理由から、着物の買取価格は安くなる傾向がある
• 着物を売る前に、着物の状態や証紙・落款・残り布がないかなどを自分でチェックしよう
• 着物買取には押し買いなどのトラブルがつきものなので、被害に遭わないよう十分注意しよう